上田現 追悼ライブ 『Ｏｎ Ｔｈｅ Ｒｏａｄ』

この日を楽しみにしていたような、これで「現ちゃん、バイバイ」を
自分の中で決定づけてしまうような・・・そんな複雑な気持ちで、
先月発売のオリジナル・アルバムさえ、耳にしたのは１週間程前。
それでも情報は知りたくて、上田現に関するネットを見ない日はない。
うん、やっぱり見たい！　聴きたい！　
ようやく前向きになったのは風邪も治ったおかげかな？
いざ、１９日の東京公演に続く大阪ＮＨＫホールへ。

開演前に１Ｆでトイレに入ったら、『ハーメルン』がっ。
４Ｆからなのに聴こえるんだっ。
最高にきれいな会場の中、“究極の現ちゃん側”といえる
通路側で、開演前に流れる現ちゃんの映画音楽。
やさしいピアノの音色。
開演ベルの後のアナウンスで、ライヴ公演名に『追悼』というのが、
そのとおりなのに、やたらと耳に残った。

大きなスクリーン映像に、星空がうつる。
セットリスト、あやふやですが思い出して書きます。
インスト『野球少年』、そして現ちゃんが演奏している
『Ｏｎ　Ｔｈｅ　Ｒｏａｄ』で、そのタイトルが浮かび上がる。
開幕。ちょっと懐かしい“百物語”の道標が出てきて、
現ちゃんの“王子様挨拶”をする。
ＥＬＥの演奏で、チェックの帽子、白パンツ、
赤い？靴のＭＡＧＵＭＩが登場して、『一日の終わりに』を。
現ちゃんのソロ・ナンバーを、ＭＡＧＵＭＩが歌うとレピッシュになる。
違和感が全くない！
道標はゆっくりながらも、少し揺れてるのがカワイイ。

ＭＡＧＵＭＩが去り、ＥＬＥのライブ。
奥村大さんＶｏ．で『森の掟』だったかな。
そして、大好きな『僕の思いは目的もなく月に刺さる』。
大さんが、これでもかと歌い弾きあげる。
大さんのモーニング？スーツ（半パン）がオシャレ。
今日はＢｓ．のトモさんが少し遠い位置。
平田さんのトランペットが本当にきれいに響く。

そして、スクリーンだったかな。
花柄シャツ姿の現ちゃんのレコーディング姿と思う。
そして、レピッシュ！
暗闇ステージ右側で飛びはねてる二人が見えるなあと思ったら
『プレゼント』のイントロへ！
もう～～～、カッコイイ！客席も起立しだすっ。
あのね、この曲でこんなにはじける恭一は珍しい気がする。
この後の現ちゃんレピナンバー、
『おやすみ』『２８才』『水溶性』『サイクリング』でも、
フロント二人が全身で表現してたよ！　現ちゃんを！
なんかそれだけでウルウルきそうだけど、
素直にレピッシュのライブが楽しかったりもして、
本当に悲しくも嬉しい、楽しいー時間だった。
Ｔａｔｓｕが淡々と、そして増井くんがＫｅｙを弾いたり、
なんかねー、現ちゃんがほんとに悔しがってる気がした（笑）

ＭＡＧＵＭＩ　「大阪ーーっ！　・・・（ためる）おさかんですかー！？」
失笑～。大阪のお約束ですう。
ヘンな間。で、客席に向かって「ざわざわするな！」（爆）
「なあに、みんな、ちょっと始め、緊張しちゃったあ？」
客　「したー！　」
Ｍ　「“したよー”って、もう！（笑）」と、一人でマネしてうけてる。
「今日は現ちゃんは２Ｆのあそこなんだよ。
俺には現ちゃんスコープってのがあるから」とか、
「これね、現ちゃんの呪いっていうか、いたずらだと思うんだけど、
３日くらい前から、歯槽膿漏なんだよ」（笑）
そうか・・・私は口内炎だけど。
「だから、もし今日のこと、何かで見たら顔が腫れてるけど、
あの時、歯槽膿漏だったんだよ、いつもはもっとカッコイイんだよって
言っててくれよな」（笑）　なんだ、その弁解ーー（笑）

ＭＡＧＵＭＩはいつものグダグダＭＣしながらも、
今日の趣旨や観客のことや現ちゃんのことやらを話してくれる。
なんかホッとする。だって、「よろしく哀愁！！　」だし。
今回、司会的なＭＣはＭＡＧＵＭＩのようだけど、
恭一も何度かしていて、とにかく二人がお互いのソレを見ながら
優しい表情をしてるのが、もう・・・ねええ。
ここで『大陸ラーメン』を現ちゃんＶｏ．で演奏もしたかな。

レピのドラムを頑張ってくれる矢野さんを紹介して、
その後・・・雪好。はああああああああ！
大阪にも来てくれたああ！　ありがとう～！！
ドラムセット前でお辞儀する雪好。
長い拍手喝采の中、
「元気そうやろ？　」と、ＭＡＧＵＭＩ。
「九州だったら行ってもいいんだけどーって言ってたんだけどお（笑）
大阪はちょっと、ってね（笑）　どう？　雪好？」
たぶん「いいね」と言ってる感じなのですが、
マイク通さないので聞こえない～～（笑）
すかさずＭ、「“大阪、感じ悪っ”って」

そして、『ハーメルン』を。
もう・・・泣いてもいいですか。
雪好のドラム、最高ではないですかっ！
ラストあたりで、恭一がドラムまで行ってギター弾いて、
そこにＭＡＧＵＭＩも行ったから、視界にはすぐ横のＴａｔｓｕも
もちろん入って、もうー、以前のレピッシュなんだよおお。
はあ。

スクリーンでＡＸの『爆裂レインコート』映像。
私の並びの女の子は、ライブ中に何度もハンカチを押さえてたな。
いっぱい泣けばいいよ！　うん！

暗転の中、ステージ真ん中のピアノに川村結花さんが。
後で話してくれた『野球少年２』？というインスト曲と、
『ラルゴ』を。川村さんは、とっても緊張してるような、
それとも自分だけのステージでスポットライトの中、
どうやって今日の思いを伝えようか考えてるような、
とにかく切々と少し長めにゆっくりと、
現ちゃんと出会って６年間の思いを話してくれました。
「まだ実感がない」だけど、それを抱えていくのもいいよね、
というような。
『十秒後の世界』
イントロから、なんて力強いんだと思いました。

そのまま川村さんはピアノで、ＥＬＥバックの中、
元ちとせ登場。『約束』、そして『ワダツミの木』を。
黒の特攻服のような服は、花柄好きな現ちゃんにちなんで
背中に花の刺繍が。彼女いわく、
「Ｔａｔｓｕさんに、ちとせちゃんて、やんキーだったの？」
と言われたとか。
続いて、『コリアンドル』。この曲ではやたらと
ノリノリな松本大英さんが目にいきました（笑）
ラストの『カッシーニ』では、恭一がＧｒ．を。
元ちとせもぐるぐる回って一生懸命全身で歌ってたな。
恭一も大さんもギュンギュン弾いてて。

そのまま再び、ＥＬＥと恭一。
恭一がＭＣとなり？、
「現ちゃんのことは、タイガースの話しか出てこんけど」（笑）
でも思い出したネタがこれだそうで、

「今日も新幹線に乗ってきたんやけど、
昔大阪に来る時に駅で怒ってる北島が待ってるのが
当たり前で、で、Ｔａｔｓｕと雪好は先に行ってて、
ＭＡＧＵＭＩは当然来てなくて（笑）　現ちゃんと二人で行ったんやけど、
自由席が遅刻してるから当然空いてなくて、
じゃあ、グリーン車に行こう！　と行って、
カゴ（車内販売だけど、訂正せずに手でジェスチャーする恭一がいい♪）
運んでくる姉ちゃんとかをからかったり、酒飲もう！　と、
ライブ前なのに飲んでたわけ。
で、降りたら現ちゃんだか俺だかの切符がなくて
改札で困ってたら、さっきのカゴの姉ちゃんが、
“この人たちは、さっきグリーン車で・・・
からかってきた人たちですっ！”
で、助かったんだけどね（笑）」
（客席・爆）
このお姉ちゃんのマネをする恭一がおかしかった（笑）

途中、ウケてる大さんに、恭一が「いや、ほんと」と、
普通に話してた。

「今日はもう、泣きたきゃ泣いて、笑いたきゃ笑って、
踊りたきゃ踊ったらいいから」と、恭一。
「上田現のロックを」かな？　で、恭一Ｖｏ．の『夕焼けロック』。
ラストに“うえだげーん！！”♪って叫ぶ・・・。
恭一が去って、ＥＬＥ。
大さんが本当に身にしみるＭＣをする。
「今日は本当にありがとうございます。
うーん、、、、」何度も頭をかき、言葉を探す。
「ほんとにね、もう、僕はもう、皆さんと同じ気持ちですっ。
今日は共有できて嬉しいです！　」と、お辞儀。拍手。
言葉で表せない気持ちを「う～～～～んん、くそ！　」と、
両手で髪をかきむしる。
現ちゃん、助けてあげてよね。
客席から、「がんばれー！　」の声。
「ねえ、トモさん」と、Ｂｓ．トモさんに話しかける。
そのまま現ちゃんとのレコーディングやらの話をしたかな？
なんせ、現ちゃんは自分の歌を忘れる、と（笑）
こっちが教えてたらしい（笑）
恭一が後で、「確かに曲はよく忘れてたね」と言ってたから、
この話は恭一が去る前かな？

ＥＬＥで２曲。
『キコエルカイ』、目の前に宇宙が広がったな。
ＥＬＥありがとう。かっこよかった。
『北京の蝶』。この歌をこんな広いところで聴けることに
感動。歌詞のとおりになってる。もっともっとなるね。きっと。

スクリーン。
暗闇の中、道標が現ちゃんのＫｅｙをステージ真ん中へ運んでくる。
現ちゃんの映像の中、『君に会いに行くよ』が。
思い出してもダメだな。
現ちゃんが弾いてました、歌ってました。
大きなステージでね。
上田現て書いたＫｅｙでね。
恭一の言うように、もう自由に泣いたり笑ったりするよ。

演奏後、道標がＫｅｙをひっこめる。
それがまた悲しかった。

ＥＬＥが揃ってる中、ＭＡＧＵＭＩ登場で、白い紙を見ながら、
メンバー紹介。まずはステージにいるメンバーから。
今回アコーディオンに小柄なロングへアの女性もいて、
「現ちゃんほどアコーディオンの似合う男もいませんが、
彼女なしでは今日はできませんでした」みたいに紹介。
「関係性は変わりません、Ｔａｔｓｕ！」には、笑えた（笑）
Ｂｓ．トモさんを、「酒はダメだがたばこはいける。
女はどうかな？　緑のベースがカッコイイ、石川具之！　」（笑）
どうかな？の後に客席側を向いて、どや？みたいな表情をする
ＭＡＧＵＭＩが最高（笑）
大さんには、「音楽だけじゃなく、きっと私生活でも色々
お世話したことと思います」のようなことだったかな。

「たぶんまだ、いろいろ実感できてないとことかあるんだろうけど～、
まあ、僕も長い付き合いなんだけど～～云々」
みたいに恭一を紹介してたな。
恭一は、笑ってた。

ここからは全員を呼ぶ。
まず、松本大英さんを呼んだ。
「彼女も僕も、ずっと現ちゃんの歌を歌っていきます」と、
元ちとせを紹介。
僕のトランペットが下手なので、頼ってます、と、平田さんを。
「現ちゃんはベースにも恵まれてるけど、ドラムもね、
なんか縁があって、名前が現ちゃんの長男と一緒だったりね」
と、ドラム矢野さんを。
川村結花さんも、もちろん雪好も揃い、総勢１７人！
いえ、ＭＡＧＵＭＩは最後に紹介しました。
「そして、うえだげんーーー！！！」
出演者皆の表情が良かったな。少～し切ないながらも。
拍手喝采の中、現ちゃ～ん！　と呼ぶ声がたくさん。
寂しい間だった。
胸に手をあてて、もう片方の手を挙げて挨拶する
姿が目に浮かんだ。
１８人いますね。
「今ね、現ちゃん、ここ（真ん中）で体育座りしてる」って。
そしてＭＡＧＵＭＩは、こうとも。
「そして、お前ら～～～！！！」！
ＭＡＧＵＭＩ～～・・・・・。

Ｍ　「現ちゃんはね、しみったれたのが嫌いだからね、
うん、次の曲は力強くね、こう、そういう歌だと思うから。
人間ね、結局一人なんだけど、家族には家族の現ちゃん、
皆には皆それぞれの現ちゃんがいて、
～～云々」
みたいな説明をして、ＭＡＧＵＭＩが本当に心こめて
力こめて歌ってくれた。
ありがとう、ＭＡＧＵＭＩ。
現ちゃんが嫉妬するくらい、ＭＡＧＵＭＩがカッコよく
歌い上げた！　手のこぶしを挙げたり振ったり。

♪　右手にＡｔｌａｓ、荒野をさまよえば、今日も僕らはひとり

本当に、現ちゃんがくれた地図だな、Ａｔｌａｓ。
今日はちゃんと地図（バンダナ）も手に入れたし。
でも、まだ持つだけで安心して、出かけることは少ない。

そしてこれがラスト。道標ももちろんいる全員。
いつも現ちゃんのソロでラストだった『Ｈａｐｐｙ　ｂｉｒｔｈｄａｙ』を。
なんか、和やかな、スモークのせいかライトのせいか、
雲の中のステージを見てる感じだったな。
皆が天使みたいに見えたよ。
今日ほど時間を感じないライブはなかったな。
時計を見たら、もちろんそれだけの時間は経ってて、
それを表すだけの内容があって、ああ、でも終わり？みたいな。

演奏後、メンバー全員がステージに一列に並ぶ。
雪好が設置されてるマイクが邪魔で苦戦してる姿が
微笑ましい（笑）　
ＭＡＧＵＭＩが、「現ちゃんの町でもあるし、また現ちゃん連れてくるから！」
そして、「じゃあ、皆で“うー、いええーー！　”」（笑）
言いにくいって～（笑）　客席が笑う中、
「これは、現ちゃんも読めなかったと思うぞ。
現ちゃんはテンションあがったら、“う～、いえ～”って
いうとったやろ、『ポルノポルノ』でも」（笑）
と、せーの、で、全員でバンザイしながら
うう～～、いえええ～～～！！（笑）

そして。バイバイ。
ありがとうございました。

正直気が抜けた、というのが本音ですが、
こうして帰り道から家に着いて、遅出出勤するまでの間に
このことを書きたくて仕方なかった思いは、
これまでと何も変わりない事実。
いつもライブを見たら、書き残しておきたくてたまらなくなるこの衝動。
現ちゃん、いつもありがとうね。
無意識のやる気をいつもありがとうね。
現ちゃんが歌ったり演奏したから、生まれるものです。
今日はいろんな思いを共有できました。
でも、川村結花さんがいわれたように、まだまだ不安定です。
ＭＡＧＵＭＩのいう自分の中の現ちゃんを、
また皆で集合させたいな。

皆様、また現ちゃんを連れてきて下さいね。
関係者の皆様方、今日は心から感謝致します。